ボディが割れたスーツケースの修理
修理ガイド

スーツケースのボディ割れ修理|内部補強とパテ補正塗装、2つの直し方と料金の幅

2023.02.06 公開/2026.09.16 更新

角をぶつけてから細い線が入っている。開け閉めのたびに割れ目が伸びている気がする。ひびの奥が黒く見えて、中身が透けそうで不安——スーツケースのボディ割れ(亀裂)は、こうしたご相談から始まります。この記事では、料金とお預かり日数を先に示したうえで、当店で行っている2つの直し方と、その選び方をまとめます。

🏆 先に結論

  • 亀裂の修理は「割れた部分を貼り合わせて元に戻す」作業ではなく、内側から補強材を当てて硬化させ、割れが広がらない状態にする作業です
  • 直し方は2つ。①内部からの補強のみ ②内部補強+パテ補正塗装。①は費用と日数を抑えられますが、表面には線の跡が残ります
  • 料金の目安は、①内部からの補強が5,500〜9,500円(税別)。②パテ補正塗装まで行う場合は、これに6,000〜15,000円(税別)が加わります
  • お預かりの目安は、①のみで2〜16営業日、②まで行う場合は20営業日〜2か月。割れ方と欠損の大きさで幅が出ます
  • 欠けて外れた破片は捨てずにお持ちください。欠損を埋める材料が減るぶん、修理費を抑えられる場合があります

ボディ割れ修理の料金とお預かりの目安

すべて税別表示です。ボディの修理は、割れ方・欠損の大きさ・素材によって作業量が大きく変わるため、他の部位より金額の幅が広くなります。実際の金額は写真を拝見したうえで、修理前に無料でお見積りをお出しします。

修理内容料金(税別)お預かりの目安
方法1:内側から補強する5,500〜9,500円2〜16営業日
方法2:方法1+パテ補正塗装方法1に6,000〜15,000円を加算20営業日〜2か月

ご自身のケースがこの幅のどのあたりに入るかは、割れの範囲と欠損の有無で決まります。写真を1〜2枚いただければ、修理前に無料で具体的な金額をご案内できます。

日数についても先にお伝えしています。ボディ修理は、持ち込みでもその場でお返しできる作業ではありません。補強材を入れたあとに硬化させ、その上で仕上げる時間が必要なためで、キャスターやヒンジのように「持ち込み10分〜60分」で終わる項目とは性質が違います。旅行の日程が決まっている場合は、ここを見て早めにご相談ください。

直し方は2つある

当店では、欠損の有無と大きさを確認したうえで、2通りの方法をご案内しています。欠けて失われた部分が大きい場合は、パテ補正塗装まで行うことが必要になります。

方法1:内部からの補強のみ(外観の補修をしない)

割れている部分の裏側に補強材を当てて硬化させ、亀裂がそれ以上広がらない状態にします。目的は強度で、見た目ではありません。割れ目自体は閉じますが、表面には線の跡が残ります。費用と日数を抑えたい場合の選択肢です。

方法2:内部補強+パテ補正塗装

方法1に加えて、表面の段差をパテで埋め、色を合わせて塗装します。欠損が大きい場合や、見た目も整えたい場合に追加します。その分、費用は上がります。

2025年4月から2026年9月までに当店が受け付けた10,398件(全ブランド合算)の修理記録には、作業内容が13,784行記録されています。このうち亀裂の補修として記録されたのは1,367行で、内訳は「内部よりファイバー補強」が956行(69.9%)、「内部よりファイバー補強+パテ・塗装」が411行(30.1%)でした。

方法1の実例:補強だけで仕上げた場合の見え方

前板のパネルを斜めに横切る形で亀裂が入り、割れ目が黒い線としてはっきり見えている状態です。

ハードケースの前板に斜めに黒い亀裂が入った状態(修理前)

内部から補強して硬化させた状態です。黒く見えていた割れ目は閉じましたが、よく見ると線の跡は残っています。これが方法1の仕上がりで、事前にこの状態をご説明したうえでお預かりしています。

内部補強で亀裂を閉じたあとのハードケース。線の跡はうっすら残っている(修理後)

方法2の実例:パテ補正塗装まで行った場合

こちらはパーツの全域に亀裂が入り、広い範囲で破片が失われていた状態です。パーツ交換は行わず、内部補強にパテ補正塗装を加えて仕上げました。

ボディの広い範囲に亀裂が入り破片が失われた状態内部補強とパテ補正塗装を行ったボディ亀裂修理パテ補正塗装で表面を整えたボディ亀裂修理ボディ亀裂修理の仕上がり

どちらの方法を選ぶかは、欠損の大きさと、見た目をどこまで求めるかで決めています。写真を拝見した段階で、両方の見込みをお出しすることもできます。

修理方法・素材によって残る、3つの跡

ボディ修理では、選んだ方法や素材によって、次の3つが残ることを作業前にお伝えしています。

  • 内部補強だけで仕上げた場合に残る、亀裂の線の跡。割れ目自体は閉じますが、表面には線が見えたままになります
  • パテ補正塗装を追加した場合の、色味と質感の差。完全に再現することは難しく、特に光の当たり方によって周囲との差が目立つ場合があります
  • (亀裂ではなく凹みを直す場合)アルミボディを叩き出した部分に残る、白い筋。ボディは一度凹むと素材が伸びるため、凹凸が完全に消えるところまでは戻せません

ボディ修理は、見た目を新品に戻す修理ではなく、機能を回復させる修理だとお考えいただくのが実際に近いです。

対応が難しい場合や、保証をお付けできない場合があります

次の状態では、お引き受けできる範囲が変わることがあります

  • フィルムを貼ったタイプのボディ——塗装での仕上げには対応できません。また、凹みの修正中にフィルムが浮くことがあります
  • 亀裂がフレームの下まで達している場合——内部からの補強そのものができないことがあります
  • アルミボディの亀裂——素材の性質上、補修が難しいケースがあります
  • すでに修復歴がある場合——前の修理の状態によって、仕上がりが変わります

フィルムタイプの塗装は対応できないと決まっていますが、それ以外は実物または写真を見てからのご案内になります。状態によっては、修理後の保証をお付けできないことがあります。

凹みが原因でフタが閉まらないときは

「割れてはいないが、凹みのせいでフタが閉まらない」というご相談もあります。この場合は、歪んだ枠を叩き直して開閉できる状態に戻す作業になります。ここでも先にお伝えしていることがあり、矯正しても新品同様にまっすぐな仕上がりにはなりません。開閉・施錠といった動作を改善するための修理です。矯正は一辺ごとの作業になるため、歪んでいる辺が複数ある場合は金額が変わります。

また、フタが閉まらない原因は枠の歪みとは限りません。ヒンジ(蝶番)修理のページ で扱っている部品の側に原因があることもあり、両方が関係していることもあります。どちらが原因かを確認しながら作業に入ります。

ご相談は、まず写真を送ってください

LINEまたはWebフォームから、お写真をお送りください。いただきたいのは2枚です。

  • スーツケース全体が入った1枚(大きさと形が分かります)
  • 割れ・ひび・凹みに寄った1枚(欠損の範囲を見ます)

「角をぶつけて線が入った」「開け閉めすると広がる」など、症状を一言添えていただけると、補強だけで足りるか、パテ補正塗装まで必要かの判断が進めやすくなります。あわせて、割れて外れた破片やパーツは捨てずに取っておいてください。欠損部分を埋める材料が減るぶん、修理費を抑えられる場合があります。

郵送は全国から承っています(郵送修理の流れ )。返送時の送料は、修理費用が9,000円(税別)以上の場合は当店が負担します。名古屋市の上前津本店へ直接お持ち込みいただくことも可能です(来店修理の流れ )。

よくあるご質問

Q. スーツケースのボディ割れの修理料金はいくらですか?

A. 内側から補強する方法1が5,500〜9,500円(税別)、見た目を整えるパテ補正塗装を追加する方法2は、これに6,000〜15,000円(税別)が加わります。お預かりは方法1のみで2〜16営業日、方法2まで行う場合は20営業日〜2か月が目安です。割れの範囲と欠損の大きさで決まるため、写真を拝見して無料でお見積りをお出しします。

Q. 当店の記録では内部補強のみが69.9%ですが、パテ補正塗装まで行う人はどのくらいですか?

A. 2025年4月から2026年9月までに受け付けた修理記録(全ブランド合算)で、亀裂補修として記録された1,367行のうち、内部補強のみが956行(69.9%)、パテ補正塗装まで行ったのが411行(30.1%)でした。欠損が大きい場合や、見た目を優先される場合にパテ補正塗装を追加しています。

Q. 割れて外れた破片は、捨ててしまってもいいですか?

A. 取っておいていただくことをおすすめします。破片やパーツが残っていると、欠損を埋める材料が減るため、修理費を抑えられる場合があります。小さな破片でも、一緒にお持ちください。

Q. アルミのスーツケースでも直せますか?

A. ポリカーボネート・アルミのどちらの素材にも対応しています。ただしアルミボディの亀裂は補修が難しいケースがあり、状態によっては修理後の保証をお付けできないことがあります。また、叩き出しで直した部分に白い筋が残ることがあります。実物または写真を確認したうえでご案内します。

Q. 修理後の見た目は、どこまで戻りますか?

A. できる限り元の形状に近づけて施工しますが、完全に新品同様の外観には戻りません。機能の回復を重視した修理としてご理解いただいたうえで、お預かりしています。見た目を優先されたい場合は、パテ補正塗装を追加するかどうかも含めてご相談ください。